絶対面白くないだろうなぁと思いながら読んだ
ら、予想外に面白かった
有名だし
どんな時代のどんな話かっていうのは知っていたけれど
そうかこんな内容だったのかと思った
信仰とは
神とは
棄教とは
人の命とは
そんなことを考えた
わたしは無宗教であるが
わたしなりにそもそも神ってなんだろうと考えた
物質のように存在していないものの場合
信仰されるもの、信じられているものは
信じているものが存在しなければそこにない
そういう意味では人が作り出したものだ
だから信仰が揺らげば沈黙することもあるだろう
彼は沈黙せずという結論に達したようだが
それは結局彼が形式上はともかくも棄教をしなかったためと思われる
そういう意味では彼は、本当の信仰者よりもなお真実信仰者である
もちろんそれはここでいう存在が
人の認識という意味であるならばという前提が必要だ
人の認識の及ばぬ範囲にも広義的には存在というものはある
かつての人が今に言う世界を知らず
己の住む集落、もしくは一地域共同体で狭義世界が完結していた頃にも
広義世界はそこにあったであろう
呼吸が止まった先にあるものをわたしは知らないので
それを“怖い”と思う
わたしはその先を知らず、遍在する様々な形を信じていないからだ
たとえば天国若しくは浄土を信じているものが
死を恐れないことがあるように、その恐怖が減じることがあるように
そんな風にはいられないからだ
だから「信じる者は救われる」のだ
その先に救われるかはともかくも
現世を生きているこの瞬間は救われるのだ
と、いうようなことを考えた
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